【制作の裏側 7】住宅地に並べる建物のセットを、プログラムで一気につくりました
「制作の裏側」は、メタバースまちづくりプロジェクトの運営チームが、ワールドや公式サイトをつくる中で考えたことや、うまくいかなかったことを紹介するシリーズです。7回目は、家やマンション、公園など「基本の街並み」の建物を、プログラムでまとめてつくったときの話です。
建物が1つもない街に、19種類の建物を
このプロジェクトでは、実在する地域の地図データをもとに、Roblox(ロブロックス)の中に街をつくっています。地図データからつくったばかりの街には、建物が1つもありませんでした。そこで、住宅地に並べるための「基本の街並み」の建物のセットをつくりました(家やビルを運営が用意することにした話は、1回目の記事で紹介しています)。
最初につくったのは、一軒家5種類、マンション4種類、ビル5種類、団地2種類、公園3種類の、合わせて19種類です。10月に、一軒家を3種類ふやしました。


手でつくるのではなく、寸法を書いたプログラムで
建物の形は、Blender(ブレンダー)という、3Dの形をつくるソフトでつくっています。ただし、画面の上で1つずつ手で形をつくったのではありません。Python(パイソン)というプログラムの言葉で寸法を書き、組み立てました。
まず「箱」「三角の屋根」「窓(わくとガラス)」「ベランダ」「外の階段」などの部品を、プログラムでつくれるようにしておきます。あとは家ごとに「どこに、何を置くか」を書くだけです。部品を使い回せるので、ちがう形の家を次々につくれます。
「1つの部品に、絵は1枚まで」という決まり
Roblox には、Blender などでつくった形(メッシュ)を取りこむとき、「1つの部品に貼れる絵(テクスチャ)は1枚まで」という決まりがあります。テクスチャとは、形の表面に貼る、もようや色の絵のことです。
家には、壁、屋根、窓、扉、手すりなど、色のちがう場所がたくさんあります。場所ごとに絵を用意すると、そのたびに部品を分けることになり、部品の数がどんどんふえてしまいます。
そこで、16色の色見本を並べた小さな絵(パレット)を1枚だけつくり、すべての建物で同じものを使うことにしました。窓の面は「このマスの真ん中」、扉は「あのマスの真ん中」というように、面ごとに色見本の場所を指定するだけで、その面がその色になります。絵の具のパレットから色をえらぶのに、少し似ています。
この方法で、一軒家なら部品は「壁」「屋根」「細かいところ(窓や扉など)」の3つだけですみました。部品が少ないとデータが軽くなり、色を変えたいときも色見本を直すだけです。このパレットは、駅などの建物でも使い回しています。
窓が並んだ壁は、AIでかいた絵をくりかえし貼る
マンションやビルの壁には、窓がたくさん並んでいます。窓を1つずつ立体でつくると、12階建てのマンションでは部品が数千個になり、重くなってしまいます。
そこで、窓の並んだ壁の絵をAIで生成し、壁にくりかえし貼ることにしました。ただ、生成した絵をそのまま並べると、つなぎ目がずれました。そこで、絵の明るさを調べて、床の帯と柱のちょうど真ん中で切り取るプログラムをつくり、つなぎ目が見えないことを毎回たしかめています。

団地の番号は、デジタル時計と同じつくり方
団地の建物には、「3号棟」のように番号がついています。運営がつくった団地にも、横の壁に番号を入れました。
この数字は、デジタル時計の数字と同じつくり方です。デジタル時計は、7本の細い棒のどれを光らせるかで、0から9までを表しています。団地の番号も、ブロックを組み合わせてかきました。ワールドで団地を見かけたら、ぜひ番号を見てみてください。


このセットをつくったのは、10月のはじめです。その後、街に並べた家の一部が、キャラクターより低いことが分かりました。そのときの話は3回目の記事で紹介しています。寸法をプログラムで書いていたので、作り直しは数字を書きかえるだけですみました。
作品をつくるときのヒント:使う色を先に決めよう
ここまでの話は、運営が Blender で建物をつくるときのやり方です。Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)で作品をつくるみなさんが、同じことをする必要はありません。Studio では、パーツ(ブロック)ごとに色や素材をえらんでつくれます。
それでも、「使う色を先に決めておく」考え方は役に立ちます。たとえば「壁はこの色、屋根はこの色、窓わくはこの色」と、つくり始める前に組み合わせを決めておくと、建物全体にまとまりが出ます。
次にすること
作品の応募は、保護者などの大人が会員登録をして行います。会員登録と作品応募を、受付中です。作品を置く場所は、京都府の木津川市・精華町・京田辺市と、奈良市(西部)から選びます。
1. まず作品応募ガイドラインで、作品の決まりを、おうちの人と一緒に確かめる 2. 「みんなでつくる」ページで、参加の流れを見る 3. 動画のページを見ながら、Roblox Studio で使う色を決めて、つくってみる
プロジェクトのくわしい説明は、「プロジェクトについて」のページにあります。