【制作の裏側 1】「何もない街」から始める計画を、やめました
「制作の裏側」は、メタバースまちづくりプロジェクトの運営チームが、ワールドや公式サイトをつくる中で考えたことや、うまくいかなかったことを紹介するシリーズです。1回目は、プロジェクトの考え方を大きく変えたときの話です。
最初の計画は「何もない街」だった
このプロジェクトでは、実在する地域の地形(土地の高い・低い)や道路のデータをもとに、Roblox(ロブロックス)の中にデジタルの街をつくっています。
最初の計画では、運営が用意するのは地形と道路だけでした。その上に建つものは、ぜんぶ子どもたちの作品で少しずつうめていく。公式サイトのトップにも「はじめは街の土台だけ。この先をつくるのは、子どもたちです」と書いていました。
気づいたこと:ふつうの家は、きっと集まらない
計画を見直すきっかけは、制作者から出た、こんな予想でした。
ふつうの家は、たぶん応募がない。そうなると、住宅地は何もないままになってしまう
考えてみると、そのとおりです。Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)で何かをつくるなら、お寺や駅、ちょっと変わったお店をつくってみたい人が多いはずです。ふつうの一軒家をつくりたい人は、あまりいないでしょう。このまま進めると、街のほとんどが空き地のまま残ってしまいます。
原因は、「全部を子どもたちがつくる」という理想を先に決めてしまい、「つくる人は、何をつくりたいと思うか」から考えていなかったことでした。しくみとしてはきれいでも、つくる人の気持ちに合っていなければ、街はできあがりません。最初の計画は、ここでつまずいていたのです。
変えたこと:3つの段階で街をつくる
そこで、考え方を次のように変えました。
- 地形と道路:実在する地域のデータをもとに、運営がつくります
- 基本の街並み:家やビルなど、街の大部分をしめる建物も、運営が最初から用意します
- 子どもたちの作品:お寺、駅、学校、お店など、「街の顔」になる場所を、みなさんにつくってもらいます
「街の顔」とは、その街を思いうかべたときに、まっさきに出てくるような場所のことです。

考え方を変えると決めたあと、公式サイトの文章を見直しました。トップページ、応募のページ、ガイドラインなど、同じ考え方があちこちに書かれていて、直した場所は20か所以上になりました。1か所ずつ直していくと見落としが出やすいので、まず直す場所をすべて一覧にして確認し、それから一度に直しました。この作業は、運営チームが AI(Claude Code)と相談しながら進めました。
看板が立っている建物が、子どもの作品
街の中で、どれが子どもたちの作品なのかを見分ける方法も決めました。看板が立っている建物が、子どもたちの作品です。 看板のない建物は、運営が用意したものです。受付が始まり、作品が掲載されると、街に看板が立つようになります。
看板に出るのは、作品名、掲載名(ニックネーム)、年齢区分の3つだけです。本名や学校名は出ません。
はじめは「運営の建物はグレー系のひかえめな色」と、色で見分ける説明にしていました。でも、建物の色は、これから変えることがあるかもしれません。看板があるかないかは変わりません。そこで、変わらない「看板」を目印にすることにしました。
言葉選びの話:「背景」ではなく「基本の街並み」
運営が用意する建物を、最初は「背景の建物」とよんでいました。ところが制作者から「すこしへんだね」という声が出ました。「背景」は映像づくりでよく使う言葉で、まちがってはいませんが、読む人には少しつめたく聞こえます。5つの候補をくらべて、子どもにも大人にも分かりやすい「基本の街並み」に決めました。
あなたの街の「顔」はどこ?
あなたが思いうかべる街の「顔」は、どんな場所ですか。駅、お寺、学校、お店。つくってみたい場所が思いうかんだら、それがあなたの作品のスタートです。
作品の応募は、保護者などの大人が会員登録をして行います。会員登録と作品応募を、受付中です。作品を置く場所は、京都府の木津川市・精華町・京田辺市と、奈良市(西部)から選びます。
ワールドへの入り口は、公式サイトの地域ワールドのページにあります。Roblox の年齢別のしくみにより、ワールドに入れるのは当面16歳以上の方です(作品づくりと応募は、小中学生もできます)。作品が掲載されたら、おうちの人など大人の方がワールドに入り、一緒に画面を見ながら看板を探してみてください。
次にすること
- おうちの人と一緒に、「みんなでつくる」ページで参加の流れを見る
- 作品応募ガイドラインで、つくれる作品の決まりを確かめる
- 地域ワールドのページで、各地域の今のようすを見る
プロジェクトのくわしい説明は、「プロジェクトについて」のページにあります。