【制作の裏側 4】けいはんな記念公園の「水景園」を、6つの段階でつくりました
「制作の裏側」は、メタバースまちづくりプロジェクトの運営チームが、ワールドや公式サイトをつくる中で考えたことや、うまくいかなかったことを紹介するシリーズです。4回目は、実在する公園をモデルにして、制作の見本(サンプル)をつくったときの話です。
はじめに:これは「運営のサンプル」です
この記事の公園は、運営が Blender(ブレンダー)という、3Dの形をつくるソフトでつくったサンプルです。大きさは、Roblox の長さの単位で約129×114スタッドあります(Roblox のキャラクターの身長が約5スタッドです)。
応募作品は Roblox Studio(ロブロックス スタジオ)でつくり、部品(パーツ)は200個までという決まりがあります。大きさは、置く場所に合わせて運営が調整します。このサンプルは、公園のとても広い範囲をつくったものです。「こんなに大きな作品を出せばいい」という意味ではありません。
それでも、本物の場所を作品にするときの「進め方」や「考え方」は、Roblox Studio で小さな作品をつくるときにも、同じように使えます。
また、このサンプルは、運営が「一度つくってみよう」と試しにつくったものです。ワールドには置かない予定です。 けいはんな記念公園の水景園も、精華町の「街の顔」になる場所の1つです。いつか、だれかが自分の作品としてつくってくれるかもしれないからです。
つくったもの
けいはんな記念公園は、京都府精華町にある公園です。精華町は、このプロジェクトで作品を置く場所として選べる地域の1つです。
公園全体は24.1ヘクタールもあります。全部をつくると、一つひとつが粗くなってしまいます。そこで、制作者と相談して、中心にある「水景園」の約180×160mにしぼりました。観月橋(かんげつきょう)、観月楼(かんげつろう)、永谷池、水景棚(段々の滝)、水上舞台、巨石群、紅葉谷、里棚田を入れています。

進め方:6つの段階
1. 資料を集める
手がかりは、文章にある数字と写真だけでした。たとえば「観月橋の長さ123m、水面からの高さ約10m」という数字です。こうした数字を、形を合わせるときのものさしにしました。
2. つくる範囲と寸法を決める
公園の園内マップの写真には、「100m」の長さを表す線(縮尺バー)がありました。この線を画像の上ではかると、約225ピクセル(画面の点の数)です。これをものさしにして、施設と施設の距離を、本物のメートルに直しました。

3. 地形
まず、地面と池をつくりました。地面は「場所を入れると、その地点の高さが分かるしくみ」で形を決めています。池、橋の終わりにある南東の丘、東の斜面などを、このしくみで表しました。
橋の柱の根元や木、道も、同じしくみで地面の高さに合わせています。そのため、木が宙に浮いたり、地面にうまったりしません。

4. 建物
次に、観月楼と観月橋の形をつくりました。この段階では、まだ色を付けていません。

5. 岩と水
水景棚は、半円の段がいくつも重なった滝です。段のふちに石を並べ、水が落ちるようにしました。巨石群の石も、ここで置いています。

6. 木と道
最後に、木を約90本(モミジ20本、松14本、そのほかの木60本ほど)と、園路(公園の中の道)を置いて完成です。

うまくいかなかったことと、直し方
地面がとがって、池から突き出した。 水景棚のまわりで、地面がとがって水面から飛び出してしまいました。池の岸には「岸の近くは水面より高くする」というルールがあり、それが先に効いて、水景棚のくぼみが反映されていなかったのです。くぼみのルールを先に効かせるように直しました。ここは2回直しています。
手すりと屋根が、真っ黒で重く見えた。 観月橋のガラスの手すりが黒い帯のように見え、屋根も真っ黒になりました。ガラス用の暗い色を、手すりと屋根にもそのまま使っていたためです。手すりは3段の木の横木に変え、屋根は明るい色にしました。

近くで見てみよう
このサンプルはワールドには置かないので、かわりに、モデルのいろいろな場所を画像で紹介します。





かんたんにしたところ
本物そっくりにはしていません。たとえば、本物の巨石群は約500個ありますが、サンプルでは42本です。池の岸の形は本物より丸く、観月楼の中もつくっていません。全部を同じくわしさでつくるより、目立つところに力を入れたほうが、全体がまとまります。
写真は「見るだけ」にした
参考にした写真は、ほかの人がとったものです。だから、この記事にもサンプルにも使っていません。この記事の画像は、すべて運営がつくったサンプルを写したものです。
形は、手作業ではなく、AI(Claude Code)が書いたプログラムで組み立てました。つくる範囲などの方針は制作者が決め、寸法や配置は、AI が資料の数字や園内マップの縮尺から決めています。AI で画像をつくる機能は使っていません。表面の模様(テクスチャ)は、無料の素材サイト Poly Haven(ポリーヘイブン)(外部サイト)の素材の色を調整したものと、手づくりの水面や色見本を使っています。
作品をつくるときのヒント
- つくる範囲を決める:パーツ200個でつくれるよう、建物の入り口だけ、目印の部分だけ、のようにしぼってみよう
- 本物の大きさを調べる:長さや高さの数字、地図の縮尺バーが手がかりになります
- 全部を再現しようとしない:いちばん「らしさ」が出るところを選ぼう
- 写真は見るだけ:作品応募ガイドラインでは、Web 上の画像は作品に使えません。AI を使ったときは、応募のときに申告します
次にすること
作品の応募は、保護者などの大人が会員登録をして行います。会員登録と作品応募を、受付中です。作品を置く場所は、京都府の木津川市・精華町・京田辺市と、奈良市(西部)から選びます。
1. 作品応募ガイドラインで、作品の決まりや、使ってはいけないものを、おうちの人と一緒に確かめる 2. 「みんなでつくる」ページで、参加の流れを見る 3. 動画のページを見ながら、Roblox Studio で小さな作品をつくってみる 4. 地域ワールドのページで、各地域の今のようすを見る